2022-06-20 本を読みながら思い出したこと
子供の頃に物語を書く授業があった。他のひとは原稿用紙10枚くらい書いたものを提出していたけど私は60枚くらい書いた。内容は自分の好きな物語のぱくりだ。今考えるとまったくのぱくり。でも夢中で書いたな。
原稿用紙を文字で埋めるときの感覚、情景がうかぶというよりは、文字で埋めてゆくという行動のさなかにあった手にぐっと力の入る感じとか、書いた文字から立ち上がってくる色とか感触とか、鉛筆の匂い、
なんだろう、さっき思い出したのは濃いぶどう色の、盛り上がった点々だ。なんだった?
パソコンで文章を書いた時に、自分の考えたことが印刷物みたいに文字になることに「なんか立派っぽい」「それっぽい」と思ったものだ。
でも今考えたらそれは「一様」になっちゃったってことなのかも。
手で原稿用紙を埋める作業、大事だったな。
とはいえ、その経験を持たないひとには他の経験があるのであって。
そのことは私には知りようがない。
違う、というだけ。良し悪しじゃない。比べようもない。
全然違う体験が私にも、そのひとたちにもあるんだなというだけ。